2018年05月08日

道徳が教科化されるホントの理由は・・・

今年度から小学校で「道徳」が教科になりました。
先日、NHKのクローズアップ現代+で、「道徳が教科化に。戸惑う先生・子ども」という内容を取り上げていました。



番組では「道徳的な価値をどう教えるか。」ということが中心となっていましたが、少し違和感を感じました。
学校で道徳の授業が行われたのは昭和33年の学習指導要領からなのです。
そうです!学校で「道徳」の授業は60年近く行われてきたのです。

ですから、「価値をどう教える」という議論が今初めて出てきているように取り上げられるのはおかしいのです。
さらに、「道徳の教科化」と聞いて、「今年から道徳の授業が始まった。」と誤解を受けている話も聞きます。

なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。

道徳の教科化の理由として、国は「『大津市のいじめ問題』を発端に、道徳教育の充実を図るため」としています。これも間違っていませんが、本当の理由は、「正式な教科にしないと、先生がちゃんと道徳の授業をしないから」だと、私は考えます。

道徳の時間が違う学習などに振り替えられているのが現状でした。
「道徳の時間に席替えをした。」「時間割に道徳と書いてあるけど、算数のドリルをやった。」
ということが日常化し、道徳の学習が形骸化していた学校もあったと思います。

そこで、道徳を教科にし、年間35時間しっかり授業を行うようにしたのです。

では、教科になり、変わったことは何で、変わらないことは何でしょうか。

《変わったこと》
  ◯検定の教科書を使用すること。
  ◯評価をすること。
  ◯「考え、議論する」授業を行うこと。
《変わらないこと》
  ◯年間35時間行うこと。
  ◯文科省が定めた価値項目について考えること。

大切なことは、「考え、議論する道徳」への変換なのです。
今までは、資料に出てくる登場人物の心情を追い、一定の価値に導いていく授業が主流でした。
これからは、資料から早めに離れ、「自分ならどうする」「自分ならどう考える」と主体的に考えたり、「友達はこう考えているのか」「どう判断するのが正しいのだろう」と多様性を認めたり、議論したりする授業へ変わっていくのです。
ここにこそ、授業をつくる先生の悩みが出てくるのです。
テレビで取り上げるなら、「どうすれば、議論が生まれる授業がつくれるか」というテーマにしてほしかったです。

さて、同じNHKの番組で「ココロ部」という道徳の番組があります。
この番組では、毎回、葛藤するテーマを取り上げ、「あなたならどうする?」と考えさせられます。
そこには正解がありません。自分で考え、友達を議論をし、納得解を導くのです。

【誰を先に乗せるか】という回では、「山道で困っている5人のうち、車に乗せる3人をどう選ぶか」という問題を考えます。



このような「正解が1つでない問題」を子供たちに考えさせるのは、道徳的判断力を付けることにつながります。
できれば、子供だけでなく、大人や違う立場の人を交えて議論する場が創れたらいいと、私は思います。

番組の動画は↓のURLからご覧ください。
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005380009_00000&p=box



上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。